外構工事のプロからのアドバイス

エクステリア・外構工事の施工のコツなど池之上造園の技術チームの豆知識情報

子供や高齢者も安全・安心な庭のアプローチ作りのポイント

子供や高齢者にとってのアプローチの危険個所とは?

 

高齢者や子供がアプローチで危険と感じる点は、主に次の点が考えられます。

 

 ①雨水で足が滑って転倒する。

 ②段差でつまづいて転ぶ。

 ③夜間、暗くて見えにくい。

 

アプローチは、玄関と道路を結ぶ外構の中でも重要なポイントで見た目を重視したいところですが、

日常的に行き来することから機能性も重視した安全・安心なアプローチにしたいですね。

 

雨でも滑りにくい・転びにくいアプローチにする方法と素材

Ⅰ、水が溜まりにくい素材を使う

①透水性舗装材

雨水が浸透する構造になったコンクリート製の平板。透水機能により、雨水が地中に浸透。水たまりができにくく歩行が快適になります。またコンクリートやアスファルトで覆われた地面では雨水の逃げ場がなくなり、都市型洪水や地盤沈下の原因になります。透水性舗装材を使用すると、そのような問題も緩和できます。
透水性以外にも保水性や遮熱性も兼ね揃えた物もあります。

 


②透水性舗装
現場で仕上げる舗装です。

③自然土舗装材「真砂土」

 天然の土が主成分で水を加えると固まります。透水性の他、保水性もありヒートアイランド対策にもなります。固まりますので雑草対策にも使用できます。

Ⅱ、滑りにくい・滑り止め加工された素材を選ぶ

 

  ①滑り止め加工のされた屋外用タイル

  ②樹脂舗装材に滑り止め材を混ぜる

 

Ⅲ、表面に凹凸の無い素材を選ぶ

天然石など表面に凹凸のある素材を使用すると軽微な段差でもつまづいたり転倒する場合があります。また、くぼみがあると水が溜まったりするので表面に凹凸の無い素材を選んだ方が良いでしょう。

土間コンクリート洗い出し仕上げ
コンクリートを打設後に表面を洗い砂利を目立たせる仕上げです。
シンプルで汚れも目立ちにくいため多くの現場で採用されています。

 

 

・段差のないスムーズで安全なアプローチとスロープの併用

 玄関と道路の間には一般的に地面の高低差があります。

この高低差によってはアプローチに階段を設けないといけない場合があります。

しかし、高齢者になると階段やちょっとした段差でも怖く感じてしまします。

一回転ぶなど怖い経験をしてしまうと外出するのが億劫になってしまうかもしれません。

 段差のないアプローチ計画を心掛けるのはもちろんですが、どうしても高低差があり階段を設けなければならない場合は、階段とは別に「スロープ」を設けると安心して歩行できるとともに、将来、車いすが必要になった時も利用することができます。

 スロープの勾配はバリアフリー新法によれば、1/12以下とし1/15以下が望ましいとなっています。(1/12とは1mで約8cm登る、1/15では1mで約6.7cm登る勾配となります。)

ですが、この勾配を一般住宅に用いると敷地的に距離が足りないことがほとんどです。

この基準は、自力で車いすで登れる勾配を基準としていますので、仮に車いすになったとして健常者(女性)が介助して登れる勾配1/8以下を目安に作ると良いでしょう。

 

1/8勾配とは、1mで12.5cm登る勾配となります。仮に50cmの高低差の場合、スロープの距離は4m必要となります。

 


 

 

 

 

 

 

安全・安心なアプローチ・スロープにする 手すりなどの補助部材

 

前項まででご紹介した方法でアプローチやスロープを作ったとしてそれだけでも良いですが、さらに高齢者やお子様が安全・安心なものにするために欠かせないのが「手摺」です。

 手すりは、クッション性のある手に優しい素材であったり、見た目を重視したデザイン性のあるものまでいろんな物があります。若い夫婦のお宅であれば機能性よりも見た目を重視したいところです。

 お子さんがいるご家庭であれば手摺に転落防止用のバーや防護柵を付けておくと安心です。

 手すりを設置する位置や高さは、設置する環境や使用する人がどんな人かによって変えられます。また、要介護者の場合は自治体から補助金がでる場合もあります。

詳しくは当店などエクステリアの専門店にご相談してみてください。

 

夜間でも安心なアプローチ照明の設置

 

  アプローチは、日中など明るい時間帯であればよいですが、夕方から夜間・冬場の早朝など暗い時間帯に使用する場合も多いです。

そんな暗い時間帯にあると安心なのが「照明」です。ポールタイプの物やスポットライトなど様々な形状の屋外照明があります。

現在は、ほとんどが「LED」を使用しており、電球の交換の手間や費用が軽減されています。

また、商品によっては「センサー」が組込れており、人の動きに反応して点灯する「人感センサータイプ」や、明るいさに反応し暗くなったら勝手に点灯する「照度センサータイプ」があります。

設置する場所や環境にあった照明を選べば、安全・安心はもちろん、ライトアップ効果で素敵なアプローチになることでしょう。

 

 

 

 

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